緒方竹虎とCIA アメリカ公文書が語る保守政治家の実像 (平凡社新書)
戦前の日本を「ファシズム」と呼ぶのはおかしい、と問題提起したのは伊藤隆氏だが、これは「リベラル」の役割を考える上でも重要だ。1930年代に日本が独裁者もいないのに「ずるずると国を挙げて戦争の渦中に突入」したのはなぜか、というのは丸山眞男以来ずっと日本の知識人を悩ませてきた問題である。それはヒトラーのような独裁者に指導されたのではなく、近衛文麿や朝日新聞のようなリベラルに指導されたのだ。

丸山はファシズムを「反革命の最も先鋭な最も戦闘的な形態」と規定したが、それは日本には当てはまらない。近衛首相は国民の圧倒的多数に支持されたので、大政翼賛会は反革命ではなく「挙国一致」の革命だった。朝日の主筆だった緒方竹虎は、内閣情報局参与として大政翼賛会の事務局となり、戦時中には情報局総裁として検閲を統括した。

戦後、緒方は公職追放されたが、復帰後は自由党の政治家として保守合同を指導した。吉田茂の次の首相候補と目され、CIAは彼に「ポカポン」というコードネームをつけて利用した。しかし最近公開されたファイルでは、CIAは資金力のない緒方を重視していなかったという。

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