隠れていた宇宙 上 (ハヤカワ文庫 NF)
「宇宙についてもっとも理解できないことは、それが理解できるということだ」とアインシュタインは言った。この広大な宇宙に唯一の法則が存在し、それが人間の書いた方程式で完全に記述できる必然性はないが、驚いたことにその例外は今のところ見つかっていない。

存在の一義性は、ドゥンス=スコトゥス以来の神学的なドグマで、宇宙に唯一の「摂理」が存在するという信念だが、近代科学はそれを「法則」という形で証明した。ニュートンが万有引力の普遍性を信じたのは、それが神の存在と同義だったからだ。

これはニーチェ以降の哲学の問題でもある。宇宙が一義的に存在するというのはキリスト教に固有の幻想だから、神が死んだ時代には無限に多様な空間があっていいし、永遠に回帰する時間があってもいい。最近の物理学の理論では、10500種類の宇宙がありうるという。それではわれわれが見ているこの宇宙が一義的なのはなぜか?

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