維新史再考―公議・王政から集権・脱身分化へ (NHKブックス No.1248)
明治150年の今年は、近代の日本を考え直すチャンスである。きょうから始まるアゴラ読書塾(ネット受講はまだ受付中)では、今までとは違う角度から明治の歴史を考えてみたい。その一つのテーマは「江戸時代との連続性」である。

本書は「幕府」とか「藩」という言葉を使わないで江戸時代を語る。これは渡辺浩氏も指摘するように、当時はそういう言葉が使われていなかったからだ。当時、徳川家は公儀と呼ばれ、大名家は国家と呼ばれた。国家という概念は、伝統的な中国にはない。「国」という字は明や清などの王朝を示す言葉で、それを超える普遍的なstateの概念は中国にはなかったのだ。

明治政府が徳川家を「幕府」と呼ぶようになったのは公的な正統性をもたないという意味だったが、公儀は私的な支配ではなかった。国とは家だが、それは個人としての大名を超える連続性と正統性をもつ。それは国家法人説に近い。明治日本の「裏の国体」である官僚支配の原型は、江戸時代にできていたのだ。

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