森友文書の改竄事件は理財局の単独犯行だという財務省の主張は、常識では理解できないが、その反証も今のところ出ていないので、彼らのシナリオが正しいと仮定しよう。つまり佐川理財局長の指示で「理財局の一部職員」が近畿財務局に命じ、大臣官房にも首相官邸にも相談しないで決裁文書の「差し替え」を行なったというシナリオだ。

それが公文書偽造という犯罪にあたる可能性は彼らも知っていたと思われるが、もし日常的にその程度の改竄をやっていたら、理財局の中で「内々にやっておこう」という話になったことも考えられる。さらに国交省にも改竄を依頼したことになるが、そんなことはあるのだろうか。

中央官庁の課長は民間企業でいうと部長から本部長ぐらいで、権限が大きい(民間の課長は役所の課長補佐ぐらいだろう)。局長になると政治家との対外折衝が増えるので、部内の意思決定のコアは課長である。ほとんどの意思決定は課長級の「合議」で決まり、局長はそれを追認することが多い。

それは日本軍の伝統でもあった。御前会議に出る戦争の計画を決めたのは、省庁を横断する官僚と軍人の「課長打ち合わせ」だった。満州事変を起こしたのは関東軍主任参謀(課長級)の石原莞爾であり、その後の総動員体制をつくったのは陸軍省軍事課長の永田鉄山であり、日中戦争を始めたのは参謀本部作戦課長の武藤章だった。

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