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今回の事件で小黒さんがNHKに「財務省はそんなに簡単に三途の川を渡るような役所ではない」とコメントしたのが印象的だ。文書改竄で刑法上の罪に問われたら、官僚としての人生は終わってしまう。それを現場の判断でやるとは考えにくい。少なくとも事後的には、首相官邸が知っていたはずだ。

内閣人事局の「恐怖政治」が批判され、官邸の意向を「忖度」することがよくないという話がよく出てくるが、忖度なしで政治は動かない。100万人以上いる国家公務員を安倍首相がすべて指揮することはできないので、官僚が「安倍さんだったらこう考えるだろう」と先回りして忖度して初めて政治は動くのだ。

忖度は今に始まったことではなく、日本だけの現象でもない。主権者たる国民の選んだ議会が行政を支配するのが議院内閣制の建て前だが、現実には行政の大部分は官僚の裁量的な法解釈で決まる。官僚が違法行為の「三途の川を渡る」ことはきわめて例外的で、大部分はグレーな領域で法解釈を決める。そのとき官僚が、誰の意向を忖度するかが問題である。

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