JBpressでも書いたが、安倍政権の「大きな政府」は、現在の有権者の利益を最大化するという意味で民主的である。普通選挙には将来世代の利益を代表するメカニズムがないので、島澤諭氏も指摘するように、日本の社会保障は、まだ生まれていない世代(0歳以下)に負担をしわ寄せするしくみになっている。


もともと議会というのは納税者が政府を監視するしくみだったが、普通選挙で全国民に1票が与えられた。専業主婦や年金生活者には、参政権があるが(消費税を除いて)納税の義務がないので、行政サービスや社会保障の受益者が納税者にただ乗りする傾向が強まった。この関係をざっくり図に描くと、次のようになる。

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もう一つの変化は、金融市場が発達して国債が大量に発行できるようになり、納税者より大きな負担者(将来世代)ができたことだ。このため政府の行動を制約していた納税者の監視が機能しなくなり、政府債務によって現在世代が将来世代にただ乗りできるようになった。これは現在と将来のペイオフの非対称性を利用した、合理的なモラルハザードである。

続きは3月5日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンで。(まぐまぐに引っ越しました)