半藤一利氏と保阪正康氏の対談が、ちょっと話題になっている。明治維新を高く評価する「薩長史観」が一面的だという総論はいいのだが、「戦争を始めたのは長州閥で、やめたのは長州に排除された賊軍出身者だった」という半藤氏の話は事実に反する。それは1930年代の陸軍の中枢となった一夕会のメンバーをみても明らかだろう。
  • 陸士14期 小川恒三郎
  • 陸士15期 河本大作、山岡重厚
  • 陸士16期 永田鉄山、小畑敏四郎、岡村寧次、小笠原数夫、磯谷廉介、板垣征四郎、黒木親慶
  • 陸士17期 東條英機、渡久雄、工藤義雄、飯田貞固
  • 陸士18期 山下奉文、岡部直三郎、中野直三
  • 陸士20期 橋本群、草場辰巳、七田一郎
  • 陸士21期 石原莞爾、横山勇、町尻量基
  • 陸士22期 本多政材、北野憲造、村上啓作、鈴木率道、鈴木貞一、牟田口廉也
  • 陸士23期 清水規矩、岡田資、根本博
  • 陸士24期 沼田多稼蔵、土橋勇逸、深山亀三郎、加藤守雄
  • 陸士25期 下山琢磨、武藤章、田中新一、富永恭次
これだけで(よくも悪くも)その後の陸軍を語れるぐらいの錚々たる顔ぶれだが、この中に長州出身者は一人もいない。それは一夕会が「反長州」のグループだったからだ。逆にいうと、1920年代まで危ういバランスを保っていた軍部がおかしくなったのは、こうした「賊軍」が長州閥を排除した後だった。

続きは2月26日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンで。(まぐまぐに引っ越しました)