例外時代
21世紀の長期停滞は歴史的にみると、それほど異常な現象ではない。1948~73年に地球上の全住民の所得は一人あたり年3%増え、25年で倍増した。これほど高い成長率はそれ以前にはなく、その後は半減した。当時その屈折点は「石油危機」だと思われたが、変化はもっと大きく深いものだった。

成長の単純な説明は、第2次大戦で資本ストックが大幅に失われたことだ。特に日本とドイツの成長率が高かったのもそれで説明できるが、資本が蓄積されると成長は減速する。各国政府は1970年代には「景気対策」で危機に対応しようとしたが、スタグフレーションで行き詰まった。それを「小さな政府」で解決しようとした保守革命でも、成長率は上がらなかった。

資本蓄積以外にも成長の要因は多いので、それが減速した原因について経済学者はいろいろな仮説を立てた。どれにも決定的な説明力はないが、要するにいえるのは、戦後の成長は例外で今が普通だということである。だとすると、政府が成長を阻害することはできるが、黄金時代を取り戻すことはできない。

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