新年早々、金正恩が「核のボタンは机の上にある」といい、トランプが「おれの核のボタンはもっとデカい」とツイートして、世界が騒然としている。核の均衡を成り立たせている相互確証破壊(MAD)は、核保有国の指導者がすべて合理的だという条件で成立しているので、彼らの誰か一人でもmadだったら崩壊する。

アメリカ議会では、トランプの「精神状態」についての説明会が開かれたが、これはアメリカの「核の傘」の下にある日本にとっても他人事ではない。核の傘が存在するのは、日本への攻撃に対して米軍が必ず報復するときに限られるが、日米同盟への「ただ乗り」をたびたび批判している彼が、日本国民のために米兵の血を流すかどうかはわからない。

ところが日本は、核拡散防止条約(NPT)で核武装を放棄し、日米原子力協定で「余剰プルトニウムはすべて平和利用で消費する」と約束した。これによって核兵器で「自主防衛」する道は断たれたので、日本国民の安全はトランプの精神状態に依存しているのだ。

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