シマゲジ風雲録―放送と権力・40年
受信料制度についての最高裁判決は「この変な制度は変えたほうがいい」という勧告かもしれないが、これは昔から政治的イジメの材料だった。国営でも民営でもない中途半端な経営形態は、本多勝一のような左翼からは「国策放送だから受信料を払わない」という不払い運動で攻撃される一方、自民党からは「国営なんだから政権を批判するな」という暗黙の圧力がかかった。

こういう状況では、自民党に顔がきいて毎年2月にNHK予算を全会一致で乗り切る政治部記者の手腕に経営の命運がかかってしまう。島桂次はそういう「国会担当」のボスだったが、海老沢勝二のような単なる派閥記者ではなかった。NC9やNHK特集をつくり、BSを独自放送にして、本書に書かれているような「風雲」を巻き起こした。

彼は1980年代後半にマードックの向こうを張ってNHKを民営化してグローバル企業にしようとし、住友銀行の磯田一郎と一緒にMICOという新会社をつくった。多くの企業が新会社に出資し、島は1991年に「NHKを拠点にして日本から世界にニュースを発信する」というGNN(Global News Network)構想を発表したが、その直後に失脚した。それはNHKのバブル崩壊だった。

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