小池・小泉「脱原発」のウソ
本書は専門家が書いたエネルギー問題の入門書だが、こんなキワモノ的なタイトルで「右派」の出版社からしか出せないところに日本の深刻な状況がある。著者もなげくように、出版業界でも「原発推進派」の本は企画として成り立たない。

民主党政権は「原発ゼロ」という間違った戦いを始めてしまったが、自民党政権もそれを止められない。マスコミが原子力に莫大な恐怖のコストを上乗せしたからだ。たとえば福島第一原発の「汚染水」は薄めて流せばいいが、安倍首相がOKしないので100万トン以上タンクに貯水したままだ。こういう政治的コストを「廃炉費用」に算入したら、原子力のコストは際限なくふくらむ。

本書はそういう政治的コストを除き、原子力の技術的コストだけを考えると、核燃料サイクルも実用化できるという。たしかに中国もロシアも、核燃料サイクルを続けている。独裁国家は政治的コストを考えなくてもいいからだ。これは民主主義のコストともいえるが、その有権者に将来世代は入っていない。100年後の世代は、安倍政権の選択をどう考えるだろうか。

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