毎日新聞に出ている柄谷行人氏のインタビューが、ちょっと話題になっている。論旨は「憲法9条を守って無防備になれば、国際社会が許さないので北朝鮮は攻撃できない」という平和ボケだが、最初から最後までナンセンスというわけではない。
長い戦国時代の後、戦争を否定する徳川幕府体制が生まれ、国内だけでなく、東アジア一帯の平和が実現されました。「徳川の平和」と呼ばれています。武士は帯刀しましたが、刀は身分を表す象徴であり、武器ではなかったのです。徳川の文化こそが9条の精神を先取りした「先行形態」です。
いろいろな偶然が重なって江戸時代に日本が250年も平和を享受したことが「無意識」に定着し、その後の日本人の(彼に代表される)平和ボケの原型になっている、という話は新しくないが当たっている。江戸時代の日本人の敵は外国ではなく災害だったのだ。

しかし明治以降の対外的な膨張主義はどう説明するのか。彼は「明治維新後に日本は徴兵制を始め、朝鮮半島を植民地化し、中国を侵略しました。9条が根ざしているのは、明治維新以後、日本人がやってきたことに対する無意識の悔恨です」というが、これは論理がつながっていない。やってから後悔するぐらいなら、初めから戦争なんかしないだろう。

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