安倍首相は所信表明で「デフレではない状況にした」と苦しい言い訳をしたが、コアコアCPI上昇率は0.2%で5年前より低い。完全失業率が2.8%と低くなってもインフレにならないのは、NAIRU(Non-Accelerating Inflation Rate of Unemployment)つまりインフレを加速しない失業率が下がったためと考えるしかない。これが自然失業率である。

これは労働市場の流動性やミスマッチなどの要因で決まる構造的・摩擦的な失業率で、景気対策で下げることはできない。政府の統計では「構造的失業率」などと言い換える。次の図はニッセイ基礎研の推定だが、構造的失業率は不良債権処理がピークを超えた2003年以降ゆるやかに低下し、2008年のリーマンショックで上がったが、最近では完全失業率を下回っている。
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循環的要因で決まる「需要不足失業率」は最近はマイナスになり、人手不足なので賃金が上がってインフレになるはずだが、実質賃金は横ばいでインフレは起こらない。そこには景気対策で変えられない構造的な変化がある。

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