国会の与野党の質問時間の配分が、1対4から1対2に変更された。これを「大政翼賛会」などと騒ぐのも大げさだが、与党質問が増えると国会はさらに空洞化する。法案の内容は自民党政調会の事前審査でチェックされているので、与党質問なんて無意味である。

自民党の国会議員は内閣提出法案(閣法)に賛成するように党議拘束をかけられているので、国会に法案が出てから本質的な疑問は出せない。これは大山礼子氏の指摘するように、日本国憲法のモデルが合衆国憲法で、基本的に閣法を想定していないことが原因だ。憲法第41条では「国会は、国権の最高機関であって、国の唯一の立法機関である」と定めているので、厳密にいうと閣法は憲法違反である。

ところが明治以来の伝統では政府が立法して議会はチェックする機関だったので、法案の作成は官僚に丸投げになっている。そのギャップを調整する機関が部会で、ここが実質的な国会である。ここでは法案の細かいところまで族議員がチェックし、まれには否決されることもある真剣勝負だ。私はそのまれな事例に立ち会ったことがある。

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