資本主義と自由 (日経BPクラシックス)
けさの記事を書くために『資本主義と自由』を久しぶりに読み直したら、フリードマンは大学については、教育バウチャーではなく「教育投資ファンド」を提案していた。これは共同出資で学生に投資するファンドをつくり、学生は「出世払い」で返済するものだが、共同出資が無理なら連邦政府がやればよいと書いている。

本書は1960年代には、学界では批判と冷笑で迎えられた。そのころは政府が雇用と物価をコントロールできるというケインズ経済学が全盛だったからだ。しかし70年代にスタグフレーションが止められなくなると、経済学への不信が強まった。そういうとき出てきたフリードマンの論文「金融政策の役割」は、ケインズ以来の革命だった。それは長期的には政府は経済をコントロールできないと宣告したからだ。

これは大論争を呼んだが、80年代にはフリードマンが勝利した。本書で彼の提案した変動相場制も実現したが、教育バウチャーも、負の所得税も、公的年金の廃止も、職業免許の廃止も、いまだにほとんど実現していない。「景気対策」や「リフレ」で政府が経済をコントロールできると信じる人が後を絶たないからだ。不幸なことに、フリードマンは永遠に新しい。

続きは8月28日(月)朝7時に配信する池田信夫ブログマガジンでどうぞ。