アゴラの記事が反響を呼んでいるので、ちょっと補足しておこう。「憲法9条で戦力をもたないで平和を守る」というガラパゴス平和主義は、日本が孤立した国だったらナンセンスだが、日米同盟があればアメリカに戦争のリスクを押しつけることができる。これをタレブの理論でいうと、次のようなペイオフの非対称性がある。

option

日本が戦力をもっていないと平時には利益を得るが、戦争になると(点線のように)損害が出る。その利益の期待値をゼロに基準化すると、戦争のとき在日米軍でリスクヘッジできれば、利益の平均(期待値)はFになる。この「平和に賭けるギャンブル」は、賭け金が大きいほどもうかるのだ。

このペイオフ構造は株式市場のコール・オプションと同じだが、株式の場合にはその保証料(オプション価格)を取られる。ところが日米同盟は「思いやり予算」というわずかな保証料で、日本が米軍にただ乗りする不平等条約になってしまった。これは吉田茂のモラル・ハザードだったが、あまりにも快適なので与野党とも抜けられなくなった。

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