これは『失敗の法則』第8章のテーマだが、昨年9月の民進党代表選では、蓮舫代表が「軽いみこし」としてかつがれた。彼女とポストを取引して立候補を見送った幹部もいた。それは政局的には正しかったのだろう。当時の票読みでは、彼女が圧倒的に有利だったからだ。

だが、このように「表の代表」と「裏の幹事長」を分離し、実権を後者が握る二重権力こそ、民主党政権が改革しようとした構造だった。それは1990年代から「政治主導」を提唱してきた小沢一郎氏のコンセプトでもあった。鳩山政権は政策調査会を廃止して意思決定を政府に一本化したが、小沢氏が幹事長になると逆に陳情の窓口を幹事長に一本化した。「みこしは軽くてパーがいい」というのは、彼の言葉である。

こういう構造が失敗するのも日本型組織の法則だが、その原因は大きな意思決定ができないからだ。閣僚は内閣改造で交代する「軽いみこし」なので、官僚はその命令を聞かないで、役所のコンセンサスを代表する事務次官の命令を聞く。彼らは業界の既得権で動くので、獣医学部の新設さえできない。それは議院内閣制が想定している統治構造とはまったく違うのだ。

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