タックス・ヘイブン――逃げていく税金 (岩波新書)
ピケティからロゴフに至るまで政治的立場の違いを問わず、グローバル資本主義の最大の「闇」として指摘するのがオフショアである。それは税金を逃れるだけでなく、銀行規制の抜け穴になり、麻薬取引などの犯罪の温床になっている。

本書はその実態を元財務省幹部が実証した本だが、おもしろいのはOECDなどの会議で、イギリスが口先ではオフショア規制に賛成しながら、最終的な条約の規制対象から英連邦が落とされたり、具体的な罰則が消えたりすることだ。その原因は著者も指摘するように「世界最大のタックス・ヘイブンはロンドンだから」である。

登記上ケイマン諸島にある銀行は実質的にはロンドンで運営され、その経営者もシティの出身者が多い。この問題を解決するのは、著者のいうような規制だけでは無理だ。まず法人所得税を廃止し、最終的には労働所得税も廃止して、消費税のようなキャッシュフロー課税に一元化する必要があるが、それでも地下経済は根絶できないだろう。

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