シャープ「企業敗戦」の深層
かつて「亀山モデル」で世界のブランドになったシャープが、あっけなく破綻した原因は、本書によると簡単である。亀山工場は「時代遅れの垂直統合」だった。それが成功したので、さらに大規模な堺工場をつくったが、世界は「モジュール化」の時代になっていたので、コストが高くなってサムスンとの競争に負けた。

驚くのは、2002年の『モジュール化』が参考文献として引用されていることだ。これは1997年に私が『情報通信革命と日本企業』で提案した概念だから、とっくにわかっていたことだ。これを経営学者が「組み合わせとすり合わせ」というナンセンスな話にすり替えたが、問題の本質はモジュール化ではなく分業構造の変化である。日本の半導体産業がだめになったのは、ファブレスとファウンドリーに専門分化した国際的な水平分業に適応できなかったからだ。

最大の失敗は、2007年に堺工場で生産能力を倍増させたときから、2011年まで地デジの駆け込み需要で液晶テレビの国内売り上げが激増し、その終わった2012年に80%も減ったことだ。これは必要もないのにVHF帯の電波を2011年に止めた総務省にも責任があるが、それも最初からわかっていたことだ。なぜ過剰投資を止められなかったのだろうか?

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