一橋大学から香港科学技術大学に移籍する経済学者が話題になっているが、彼もいうように経済学では珍しいことではない。理系ではとっくに、優秀な研究者は日本の大学に残らない。これは日本語のハンディもあるが、根本的な問題は准教授以上は自動的に終身雇用(テニュア)になるからだ。

これは大企業と同じだが、大きな違いは大学教師には転勤がないことだ。日本のサラリーマンに競争がないというのは大きな間違いで、出世競争は激しい。給料や形式上の職位は横並びだが、たとえばNHKでいうと東京の特報部長と北見の放送部長は、給料が同じでも社内ランクはまったく違い、これが強いインセンティブになっている。

ところが大学教師には転勤がないので、准教授になったら論文を書かなくても授業だけやっていれば、定年まで雇用が保障される。ここで大学教師の定員を減らすと、後入れ先出しになる。論文を1本も書いていない老人の既得権を守って、その何倍も業績を上げている若い研究者が任期つきになり、5年で切られるのだ。このため優秀な研究者は日本の大学でテニュアをとれず、それを見た学生は大学院に進学しなくなった。

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