日経新聞も朝日新聞も財政タカ派だから、FTPLには否定的だ。私もその結論に反対ではないが、「インフレ税は不公平だ」という批判は誤っている。少なくとも理論的には、インフレ税は金融資産への一律課税だから、Lucas-Stokeyのいう最適課税になる。所得分配も、預金が目減りして金持ちが損するので(相対的には)公平になる。

それより大きいのは、世代間の所得分配を公平にする効果である。公的年金などの社会保障債務の減額は政治的に不可能だが、インフレ税なら踏み倒せる。シムズもいうように、これを政治的に解決する方法はインフレ以外に考えられない。財政タカ派のいうように政府が「地道に増税」すると、デフレになって実質債務は増え、かえって不公平になる。

インフレ税の最大の難点は、多くの人が批判するように、政府が物価上昇率をコントロールできないことだが、これは今のまま放置しても同じだ。政府債務が極限まで積み上がると、いずれ長期金利が上昇し、インフレが起こる。そのとき金利に対して線形に物価が上昇するかどうかが問題である。

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