天皇はなぜ万世一系なのか (文春新書)
森友学園の事件は、意外に海外メディアに受けている。「極右の安倍首相が大日本帝国の教育をしている」という物語が、彼らの偏見に合致しているからだろうが、教育勅語は英訳を読めばわかるように、君主の訓話としては控えめである。

そのコアは天皇の正統性を万世一系で根拠づけたことだが、これは明治憲法で初めて公式に使われた言葉で、著者もいうように江戸時代以前にはそんな意識はなかった(タイトルはミスリーディング)。天皇家が「男系」で相続するというルールはなく、「生前退位」はありふれた出来事だった。

500年以上も休眠していたミカドが、1860年代に急に担ぎ出されたのは、明治政府の首脳が卑しい身分の下級武士で、およそ正統性をもっていなかったためだ。伊藤博文や山県有朋は、自分たちの権力を正統化するために世襲を徹底的に否定してペーパーテストによる公務員制度(および大学)を設立し、自分の跡継ぎもつくらなかった。

これは世界的にも珍しく潔癖な能力主義(科挙は当時は形骸化していた)で、日本の歴史上も初めてだった。それが明治維新の本質的な革命だった、と著者はいう。

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