東芝は半導体部門を売却し、原子力を中心にした会社として生き残りをはかるが、ウェスティングハウスもアメリカで破産申請するらしいので、再建の方向ははっきりしない。「上場廃止は回避すべきだ」とか「外資に売ってはいけない」という声が多いが、私はここで東芝という「入れ物」に縁を切ったほうがいいと思う。

2年前に発覚した「不適切会計」も、原子力の巨額損失の穴を他の部門で埋めようとしたことが原因だった。早い時期に原子力と電機部門を切り離して処理していれば、ここまで泥沼にはならなかった。東芝のように家電から重電まで雑多な部門をもつコングロマリットは、20世紀型の失敗モデルである。

東芝は半導体を売却してWHの債務を整理し、MBO(Management Buyout)で非上場の企業として出直したほうがいい。今回の事件を契機に、日本でも資本市場を活用して企業の再編ができるように制度改正すべきだ。

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