「立憲主義」は、朝日新聞やガラパゴス憲法学者が空騒ぎしたので、頭の悪いリベラルのお題目ぐらいに思われているだろうが、いまトランプ大統領のやっている大統領令の乱発は、本物の立憲主義の危機である。

歴史上もっとも民主的だったワイマール憲法がヒトラーの出現をまねいた原因は、第48条の非常事態条項だった。それは「公共の安全・秩序の確保に失敗した場合には、ドイツ国大統領は、基本的人権の一部または全部を一時的に停止することができる」と定められていた。

この非常事態条項にもとづいてヒトラーは共産党の議員を逮捕し、議会の2/3以上の多数で全権委任法を可決して憲法を停止した。これは手続き的には違法ではなかった。アーレントがいうように、ナチスは「合法的な革命」であり、それを阻止するには「主権」を廃止して法の支配(立憲主義)を徹底することが必要だと彼女はのべた。

では合衆国憲法は、トランプがヒトラーになることを阻止できるだろうか? 1948年、ナチスから逃れたクルト・ゲーデルは、アメリカ市民権を取得するときの審査で「合衆国憲法には矛盾があり、独裁国家に合法的に移行できる」と主張し、入国審査官を驚かせた。

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