生前退位は大した問題ではないが、これを語る人の知的水準を知るメルクマールにはなる。まずいえるのは、この問題に大騒ぎする人は歴史を知らないということだ。天皇家は「万世一系」ではなく、1000年以上にわたって貴族や武士が天皇を政治的に利用して対立抗争を続けてきた。天皇家が長く続いたのは単なる飾りだったからで、それを「国家を統治する主権者」としてかついだ明治政府が異常だった。

もう一つは「退位は国家の安定性をそこなう」などという人々が、国家とは何かを知らないということだ。彼らが守ろうとしているのは「日本の伝統」どころか西洋近代の主権国家であり、150年前まで日本には存在しなかった。昔、新宿の飲み屋で西部邁氏に「先生のおっしゃる『国柄』は江戸時代にはどうなってたんですか?」と聞いたら、隣の右翼が殴りかかってきた。

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