情報通信革命と日本企業
アゴラの記事がいろいろな反響を呼んでいるので、少し理論的な補足をしておこう。電通事件の最大の疑問は、彼女がなぜ会社を辞めるという選択肢を飛び越して自殺に至ったかだ。

そういう事件は多いが、彼女は東大文学部を卒業した24歳の女性だった。会社を辞めてやり直す方法はいくらでもあったはずだが、彼女の脳内にも日本的バイアスが埋め込まれていたのだとすれば、その正体は何だろうか。

これは私が20年前に書いた本書で提起した問題で、その簡単な答はメンバーシップである。正社員はいいことばかりではなく、彼らは会社という見えない牢獄に囲い込まれているのだ。もちろん問題はそう簡単ではなく、いろいろ複雑な説明が必要だ。これは本書の第5章(PDF)でくわしく書いたので、ゲーム理論のわかる方は読んでください。

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