キャプチャとうとう朝日新聞で違法行為をカミングアウトする男が出てきた。この佐々木てる(青森公立大准教授)の両親は日本人で、アメリカ滞在中に彼が生まれた。40歳のとき「もしかしてパスポートがとれるかもと思い米国大使館に行ったら、本当に発行されて驚きました」という。

本人も二重国籍を認めているので、彼は国籍法15条で催告を受け、1ヶ月以内に日本国籍を選択しなければ第11条「自己の志望によって外国の国籍を取得したときは日本の国籍を失う」によって自動的に日本国籍を失う。この記事では二重国籍を正当化しようとしているが、彼の違法行為はそれとは別だ。
二重国籍の人は50万人以上いるといわれるが、アメリカ人が日本国籍をとった場合はほとんどわからない。アメリカは二重国籍を黙認しているので、そのまま二つの旅券を使い続けるケースが多い。これも法務省が催告すれば違法になるが、在日韓国人などが反発するので、催告は一度も行なわれていない。

この記事は「二重国籍の禁止は時代遅れで、それを認めるのがリベラルだ」という印象操作をしているが、世界の流れは逆だ。ヨーロッパではほとんどの国が二重国籍を法的に認めているが、ドイツではメルケル首相が移民政策の失敗で退陣を迫られている。イスラム難民の流入で、各国は国籍管理を厳格化している。テロリストや犯罪者をチェックするには移民局が最適だからだ。

まして首相や外交官が、どの国に所属しているのかというアイデンティティがわからない状態で務まるわけがない。この記事も認めるように、アメリカ大統領は「生まれながらの米国民」でなければなれない。八幡さんも指摘するように、ヨーロッパでもほとんどの国の首脳が自国生まれである。

このようなアイデンティティは必ずしも国籍と一致しないが、経済学的にいうとそれが最強のシグナルであることも間違いない。国籍を取得するコストは高く、それを変更することは容易ではないからだ。大学合格に大きなコストがかかるので、学歴が能力のシグナルになるのと同じだ。

しかし逆は必ずしも正しくない。国籍が日本人なら、日本に帰属意識をもっているとは限らない。蓮舫氏はその証拠である。だから二重国籍を法的に認めた上で、そのチェックを強化することが望ましい。北朝鮮が崩壊したら、日本も数百万人の難民受け入れを迫られる可能性がある。今から受け入れ体制を整備すべきだ。