ここ2週間の「二重国籍」問題は、日本人が国家を意識しないで生きられる幸福な国民だということをあらためて示した。ヨーロッパはその逆で、戦争を繰り返して国境線が何度も書き換えられ、人々はいやでも国家を意識せざるをえない。

特にフランスとドイツは、互いに侵略したりされたりしたので、国家意識は強い。ドイツのナショナリズムはヒトラーの時代に最大化したが、戦後はその反動で国家意識を抑制してきた(日本と似ている)。他方フランスのナショナリズムは強烈で、イスラム系の水着も許さない。

国籍問題に関連して、フルール・ペルランという韓国系フランス人が捨て子から閣僚になったという話が語られるが、これは逆だ。彼女は二重国籍ではなくフランス国籍であり、フランスは二重国籍は認めるが、国家への強いコミットメントを求める。国籍は政治家の必要条件にすぎない。

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