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「シン・ゴジラ」が、大人にいろいろ話題になっている。中でも石破茂氏が「ゴジラに防衛出動は必要ない」とコメントしたことが大きな反響を呼んでいる。もちろんこれはゴジラを論じているのではなく、危機的な状況にある北朝鮮にどう対応するのかのシミュレーションだ。

彼もいうように、根本的な問題は「自衛隊の行動と権限を定める自衛隊法が出来ることのみを列挙したポジティブ・リストである」ことだ。
領土や領海侵犯に対しては警察や海上保安庁が一義的に対応しますが、領空侵犯の場合は「航空警察」「航空保安庁」が存在しないため、いきなり航空自衛隊が自衛隊法の「領空侵犯措置」で対応することになります。これも警察権の行使として整理されていますが、本当にこれで十分な抑止力が働くのか、早急な検証と法整備が必要と考えています。
こういうややこしい区別が理解できる人は、ほとんどいないだろう。安保法でも自衛隊にできることが「グレーゾーン」として細かく決まっているが、これでは攻撃された部隊には判断できない。連絡を受けた官邸にも状況がわからないので、映画のように超法規的に防衛出動して、かえって歯止めのない武力行使になるのではないか。本来はフルスペックの集団的自衛権を認め、明確なネガティブ・リストで自衛隊の行動を制約すべきだ。

ところが民進党の代表選では、中国や北朝鮮のリスクにどう対応するかではなく、「憲法9条を守るか否か」を議論している。9条を厳格に適用して集団的自衛権を否定したら、北朝鮮が日本を標的にしたミサイルを発射するとわかっても、飛んで来るまで待つしかない。それで国民の安全は守れるのか。

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