革新自治体 - 熱狂と挫折に何を学ぶか (中公新書 2385)
かつて全国に革新自治体ができ、国政も革新政党がとることは時間の問題だと思われた時期があった。そのハイライトは、1967年の美濃部都知事の誕生だった。

その政策の一つの柱は公害対策だったが、彼の「一人でも反対する人がいる限り公共施設はつくらない」という方針で、ゴミ処理場の建設はできなくなった。もう一つの柱は、バラマキ福祉や賃上げだった。都職員の賃金は国家公務員より18%も高くなって都の財政は莫大な赤字となり、財政再建団体になった。

本書はこのような失敗は革新自治体の必然ではなく、その母体となった社会党に指導力がなく、「全野党共闘」をめざして社共共闘になり、路線が混乱したことが大きな原因だという。社公民で現実的な野党をつくれば政権交代の可能性もあったが、社会党は派閥抗争で右派を追放し、革新自治体も崩壊してしまった。

今回の鳥越氏も「全野党共闘」と称する共産党主導の左派候補だ。そこにはかつての革新都政のような政策すらない。もともと国政で万年野党だった社会党が、地方政治で与党になるのが無理だったのだ。その意味では、革新自治体は野党の無能さのショーケースだった。

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