Empire: How Britain Made the Modern World
きのうのBrexitは、まさか本当に離脱するとは思っていなかったので驚いた。Vlogでも言ったように、主な原因はイスラム難民に職を奪われるのを恐れる労働者階級だが、キャメロン首相を国民投票に追い込んだのは、ピーター・バラカンのいう「昔は大英帝国として七つの海を支配した」というプライドをもつ保守党内の離脱派だった。

本書はニーアル・ファーガソンが、そういう大英帝国の歴史を肯定的に描いて批判を呼んだ。もちろん彼も大英帝国が世界各地を植民地化し、現地人を虐殺したり奴隷として売買したりした罪は認めているが、そういう「オリエンタリズム」批判にあえて異を唱え、もし大英帝国が征服しなかったら、まだムガール帝国やオスマン帝国のような専制国家が残り、世界の人々は貧困に苦しんでいたのではないかという。

特に彼が強調するのは、大英帝国がアメリカ合衆国を生み出したことだ。南米を征服したスペイン人は資源を強奪しただけだが、北米を征服したイギリス人は資本主義や民主政治を生み出し、それが近代国家のモデルとなった。いま多くの人が当たり前と信じている近代的な価値観を創造し、世界を文明化したのは大英帝国なのだという。

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