けさの日経新聞の経済教室に出た、アデア・ターナー(元英FSA長官)の記事が、大きな波紋を呼んでいる。量的緩和もマイナス金利もだめだった日銀に最後の手段、ヘリコプターマネーがあるという話だからだ。もとは去年のIMF論文だが、いまだに論議を呼んでいる。

ヘリマネというのは、国債を日銀が引き受けて政府がカネをばらまくことで、景気刺激になることは確実だ。たとえば国民全員に100万円のクーポン券をばらまけば、安倍政権の念願とする「GDP600兆円」は一瞬にして実現する。そのために発行する国債は、日銀がすべて買えばいい。その資金は、いくらでも印刷できる。

日銀は政府の一部なので、その保有する国債は政府の政府に対する借金だからチャラになる。日銀が国債を今のペースで買い続ければ、2020年にはすべての国債を日銀が保有することになるので、これを日銀が無利子の永久債として保有し続け、バランスシートから消却すれば政府債務は消滅する――というのだが、そんなフリーランチがあるのだろうか?

これ以上は微妙な問題なので、続きはオフレコ政経ゼミで。