オバマの広島訪問を前に世界の反核グループが、続々と来日している。彼らの目的はオバマに原爆投下を謝罪させて反核運動に利用することがだが、原爆は日本を早く降伏させて犠牲者を減らしたという意見も多い。知日派のCucek教授でさえこう書いている:玉音放送で降伏の理由として原爆があげられていることは事実だが、それは原爆投下がなかったら降伏しなかったという根拠にはならない。日本の降伏は時間の問題であり、米軍はそれを(暗号解読で)知っていながら、原爆を投下したのだ。

長谷川毅『暗闘』は、この経緯を1次資料で詳細に検討している。原爆投下は、ポツダム宣言の発表された1945年7月26日の前に決まっていた。7月25日付の命令書には「最初の特別爆弾を、8月3日以降に広島、小倉、新潟、長崎のうちの一つの標的に投下する」と明記されている。ポツダム宣言は、既定方針だった原爆投下を正当化するために発表されたのだ。

ポツダム宣言の原案には日本の立憲君主制を維持するという条項が含まれていたが、アメリカ統合参謀本部はそれを削除して無条件降伏に変え、日本が受諾することを困難にした。これは原爆投下までの時間を稼ぐためだった。目的は日本の降伏ではなく、ソ連に原爆の威力を見せることだったのだ。

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