きのうのニコニコ超会議では、「今年生まれた赤ちゃんの人生はどうなる?」というテーマで、赤ちゃんの人生をシミュレーションしてみた。その結果は、先日のアゴラの記事にも書いたように、20歳で働き始めるころには給料の6割が天引きされ、働き盛りの30代には8割も引かれ、そして年金をもらう60代になったら年金が破綻してしまう、という悲惨な人生だ。

問題は、なぜこんなでたらめな社会保障システムが放置されているのか、ということだ。その簡単な答は「投票者の過半数が60歳以上なので、それ以上の老人に迎合しないと選挙に勝てない」というシルバー民主主義論だが、これはおかしい。

自民党は1970年代まで「農民の党」だった。人口の2割にも満たない農民のために毎年、生産者米価を引き上げ、農業に補助金や公共事業を配分していた。他方、人口の圧倒的多数を占める都市のサラリーマンは、「革新政党」には必ずしも投票しなかった。東京都や大阪府などには革新自治体が生まれたが、80年代には消えていった。

つまり多数派を代表する党が、選挙で勝てるとは限らない。逆にいうと、現役世代が少数派になっても、戦い方次第で勝てるのだ。自民党は税金を使うタックス・イーターの党だが、それに対して納税者が反乱を起こせば、勝てる可能性はある。

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