日本の緊急の課題は、安保法制でも憲法改正でもなく、社会保障の改革だ。団塊の世代が引退して年金支給額は激増し、昨年の社会保障給付総額は120兆円を超えた。このまま放置して2020年代に彼らが後期高齢者になると医療費が激増し、社会保障会計を含めた政府債務は2000兆円を超す。

一刻も早く社会保障を見直すことが政治の最大の責任だが、安倍首相にはその気がない。次の首相としてはいろいろな名前が取り沙汰されているが、小泉進次郎氏はまだ35歳になったばかり。「首相の器」であることは誰もが認めるが、若すぎるのが難点だ。

彼の父親が不良債権を最終処理したことは歴史的な業績だが、清算した債務は100兆円だった。今度の債務はそれより一桁大きく、全国民に影響が及ぶ。彼が2020年以降の経済財政構想小委員会の事務局長に任命されたのも、普通の政治家にはできない大事業だからだろう。これは単なる財政問題ではなく、彼もいうように成長と人口増を前提にしてきた戦後日本の「レール」の切り替えである。

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