リフレ派もいろいろ苦しい言い訳をしていたが、高橋洋一氏は「アベノミクスついに沈没」と認めた。しかしその原因は「消費税8%」だという。本当だろうか。

消費
実質賃金指数と実質家計消費指数(2010年10月=100)

この図を見れば明らかなように、2014年4月に消費税が上がる前に、住宅や自動車などの高額商品の駆け込み需要が急増し、その反動で4~10月の指数は100を下回っているが、11月には年初の水準に回復した。2014年全体としては、個人消費は前年より増えたのだ

むしろ問題は、2015年に入って個人消費が下がっていることだ。この原因は図のように実質賃金が下がっていることで、これはリフレ政策の成果である。円安で企業収益は上がったが、労働者はインフレで貧しくなったのだ。

この賃下げによる消費不況が、アベノミクスの沈没した最大の原因である。安倍首相は今ごろ気づいて「最低賃金1000円」だとか「同一労働・同一賃金」だとかいいはじめたが、そんな分配政策は解決にならない。

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