仮面の日米同盟 米外交機密文書が明かす真実 (文春新書)
北朝鮮が長距離弾道ミサイルを発射した。昨年成立した安保法制は朝鮮半島の有事を想定し、日本が攻撃を受けた場合に米軍が日本を防衛するので、それを自衛隊が後方支援するものだ。しかし日米安保条第5条には「共通の危険に対処する」と書いてあるだけで、アメリカが日本を防衛する義務はない。

安保法制のもとになった2015年の新ガイドライン(外務省訳)では「自衛隊及び米軍は共同作戦を実施する」と書かれているが、この原文はjoint operationsではなく、bilateral operationsつまり「二国の作戦」である。NATOのような統合指令部がないので、日米が各国の判断で戦うのだ。

ではアメリカは、どのような判断で戦うのだろうか。これについて著者が米国立公文書館で発見した1971年の機密文書(機密指定が解除された)には、こう書かれている。
在日米軍は日本本土を防衛するために駐留しているわけではなく(それは日本自身の責任である)、韓国、台湾、および東南アジアの戦略的防衛のために駐留している。[…]在日および在沖縄米軍基地はほとんどすべてが米軍基地の兵站のためにあり、戦略的な広い意味においてのみ日本防衛に務める(強調は引用者)。
つまり米軍の任務は日本を守ることではなく、東アジアにおけるアメリカの防衛線を守ることであり、そういう「戦略的な広い意味において」日本を守る必要がある場合には守る。在日米軍基地は、その補給基地にすぎないのだ。この方針は、今も基本的には変わっていない(冷戦終了後は弱まっている)。

尖閣諸島についても、アメリカは「共同作戦を実施する」とは一度もいっていない。日中の軍事衝突が起こった場合も、アメリカは「尖閣には巻き込まれたくない」というのが基本的な立場だ。安倍首相の「日本が攻撃されたら米軍が守ってくれるから自衛隊が支援する」という言葉は、いわば日本の片思いなのだ。

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