日本政治「失敗」の研究 (講談社学術文庫)
総選挙は予想どおり自公政権の現状維持で、安倍3選も視野に入ったが、泡沫だった立民党が勝って55年体制に回帰し、政治的には「1回休み」である。本書は戦前の政党政治について書いたものだが、日本にまともな野党が育つ条件を考えている。

立憲政友会は政府と一体の御用政党だったので、民間を代表する政党が必要だった。一つの可能性はヨーロッパ型の社民政党だが、これはうまく行かなかった。当時の日本はまだ農業国で、労働者がそれほど大きな政治力をもっていなかったからだ。

もう一つはイギリスのホイッグに近い自由主義の政党だ。これが1927年に浜口雄幸の結成した立憲民政党で、その理念は、議会中心政治、軍縮、健全財政だった。彼らの集票基盤は地主や財閥などの高額納税者だったので、政友会が「税金を使う党」だとすると、民政党は「納税者の党」だった。

日本に欠けているのは(将来世代の負担も含む)納税者の立場から政治を効率化する政党だ。それを実現するのは投票率の低い若者ではなく、厚生年金や健康保険の負担に苦しむ企業かもしれない。少なくとも民政党には、その可能性があった。

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