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予想どおりSMAP騒動はジャニーズ事務所の全面勝利で終わったが、私がNHKに勤務していたころは、これほど芸能事務所の力は強くなかった。この背景には、芸能界だけでなくメディア業界の劣化がある。

民放の芸能番組を企画しているのは、今や局ではなく芸能事務所である。視聴率を決めるのは企画ではなく出演者なので、ごく少数の「数字の取れる」タレントに出演依頼が集中する。このため、事務所の思い通りの番組でないと出てくれないのだ。たとえばビートたけしの事務所は「たけしの企画した番組以外は出ない」と公言している(だからNHKには出ない)。

このように番組の企画機能が芸能事務所などの「上流」に集中する一方、制作機能は下請け・孫請けなどの「下流」に出しているので、局は広告料を中抜きするだけというテレビ局の空洞化が進んでいる。これはITゼネコンと同じ構造で、日本のテレビがだめになる原因だ。

これからITなどの知識集約型サービス産業も「ハリウッド化」し、100人に1人のスーパースターを出せるかどうかが勝負になるので、IT企業はクリエイターをサポートする芸能事務所に近づいてゆく。価値を生み出すのは組織ではなく個人の才能だから、「和」の精神を教える学校にも平均的な品質を維持する企業にも価値はないのだ。

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