ネイションとエスニシティ―歴史社会学的考察
大量のイスラム系難民が流入しているヨーロッパで、難民の暴行事件や警官隊との衝突事件が報道され始めた。もともとキリスト教共同体として発足したEUに、これほど大量のイスラム難民が急速に流入すると、こういう混乱は予想されたことだ。

左翼は、国家は近代につくられた「想像の共同体」にすぎないと思っているが、実際には伝統的なエスニシティ(民族性)の集合体という面がある。本書はそれをヨーロッパの歴史で実証したものだ。

日本ではナショナルな意識とエスニックな意識が一体化しているので、「人のグローバル化」に適応するのは世界でもっとも困難といっていいだろう。こうした感情は、根拠のないものではない。日本のように中間集団の自律性が強い社会では、その中で同じ価値が共有されることが重要だから、異質な分子を排除することはエスニックな感情としては自然だ。

戦後教育はこれを非合理的なナショナリズムとして抑圧し、その偽善に反発する人々はネトウヨのような形で不満を爆発させてきた。この状態で朝鮮半島から数百万人の難民が押し寄せたら、EU以上の大混乱が起こるだろう。

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