ドコモの特殊なアンテナをつけた端末でしか見られないNOTTVができた背景には、複雑な事情がある。2007年に2.5GHz帯の比較審査(美人投票)が行なわれたとき、4グループの中で、ドコモのグループ(B社)が落選し、ウィルコム(A社)とKDDI(C社)が当選したが、その理由に業界は驚いた。次の表のように「継続的に運営するために必要な財務的基礎がより充実している」という点でウィルコムがトップだったのだ。

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「日の丸技術」であるPHSを通すことにご執心だったのが当時の菅義偉総務相で、その意向でウィルコムが選ばれたといわれる。日本有数の高収益企業ドコモより「財務的基礎が充実」していたはずのウィルコムは、まもなく経営が破綻してカーライル・グループに買収され、さらに経営が行き詰まってソフトバンクに買収された。

このときドコモを落とす代わりに、アナログ放送をやめて空くVHF帯を与えるというのが総務省とドコモのバーター取引だった。VHF帯にはクアルコムが参入しようとしており、これに対して民放連が既得権を守ろうとしていたが、放送局が全国に携帯端末用の基地局を建てることができないため、通信業者の協力が必要だったのだ。

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