人と人との間―精神病理学的日本論 (弘文堂選書)
国会のプロレスごっこを見ていて、土居健郎『甘えの構造』を思い出した。これは全共闘運動のころ書かれた本だが、暴力学生は秩序を破壊するようでいながら、それを全面的に否定するわけではない。いわば子供が父親に甘えて反抗しているようなものだ。今の万年野党も、そういう「子供の時代」の象徴だ。

土居の本はこういう日本人の病理をフロイトの古い精神分析で論じるのだが、それを現象学などの「他者理解」の手法を使って分析したのが本書(絶版)だ。

日本社会のコアになっているのは、ヒトラーのような権力者ではなく、著者が「あいだ」と呼ぶ人間関係である。人々はつねに他人との距離をはかり、「間の取り方」に気を使う。居酒屋で遅くまで話し、携帯電話でひっきりなしにメッセージを書く。それは単に交友関係を深めるだけではなく、社会の中の自分の位置を確認しているのだ。

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