きのうの記事に「国家という語は易経にも出てくる古い言葉です」というコメントがついているので、細かい話だが補足しておく。「国家」という言葉そのものは2000年以上前からあるが、意味が違うのだ。Wiktionaryによれば、国家の語源は
古代中国における、諸侯のと卿大夫が治める(封建領土)の組み合わせ。天子の治める天下の対概念で、孟子等に見られる。明治期に、英語stateの訳語として当てられた。
つまり古代中国の国家とは各地の豪族が支配する領邦のことで、皇帝の統治するのは天下つまり全世界なのだ。古代中国の封建制では、多くの国が併存して戦争したので、それを「天下」に統一したのが秦の始皇帝である。それ以来、中国の伝統的な王朝は国家ではなく、複数の国ができるのは天下が分裂した危機の時期だけだった。

これを日本人がstateの訳語として、主権国家の意味に使った。今ではこれが中国に逆輸入されて「国家主席」などと使われるが、これは語源から考えるとおかしい。「中国」という言葉も、地方国家になったようなものだ。しかし日本は、本来の意味で国=家と呼ぶのがふさわしい。

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