国際秩序 - 18世紀ヨーロッパから21世紀アジアへ (中公新書)
中国の大規模な軍事パレードは、Vlogで見ていて気持ちが悪くなった。そこに軍縮を主導すべき潘基文国連事務総長が参加し、韓国の朴槿恵大統領に対する特別待遇も目立った。これは中国を中心とする冊封体制に韓国が入ったことを示す象徴的イベントだった。

キッシンジャーもいうように、このように主権国家システムに対して異質な国際秩序が挑戦するとき、力の均衡が崩れて戦争が起きやすい。彼が1972年にニクソン訪中を実現したのは「親中派」だったからではなく、冷戦のバランスが崩れることを恐れたためだ。

ニクソンは「世界史の中で長期にわたる平和が実現したのは、力の均衡があったときだけだ」とのべた。政治的・経済的に不安定になっていた毛沢東政権が崩壊してソ連がユーラシアを支配し、ヨーロッパが中立化すると、力のバランスは大きく東側に傾く。それを避けるために米中和解を演出したのだ、と本書はいう。

もちろん軍事力だけで平和は維持できない。日米欧で戦争が起こる心配がないのは、価値観を共有しているためだ。しかし中国の伝統的な秩序観は、それとはまったく異質な華夷秩序である。今回のパレードは中国がアメリカと並ぶ国際秩序の中心であることを誇示し、国連にそれを認知させようとしたのだろう。

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