文化防衛論 (ちくま文庫)
先週のアゴラ合宿の2日目に、片山杜秀さんが紹介した戦前・戦中の音楽は、めったに聞けない曲ばかりで、おもしろかった。特に「赤とんぼ」などでよく知られている山田耕筰が、戦時中に多くの国策音楽を作曲したことは初めて知った。彼自身はファシストではなく、当時の日本音楽界の重鎮として国に協力したのだろうが、戦後には「戦犯」として指弾を浴び、こうした曲はまったく聞かれなくなった。

三島由紀夫も同じような意味で「危険な作家」とみられ、小説はともかく彼の評論は今日ほとんど読まれないが、それほど荒唐無稽なものではない。天皇制を日本の「超国家主義」のコアと考えるのは偏見であり、天皇は歴史の大部分において文化的な存在だった。そして日本人を統合するコアも、このような非軍事的な君主としての天皇にある、と三島は主張する。

GHQは天皇を危険な存在とみなし、「菊と刀」を断ち切ることによって天皇を無力化しようとしたが、菊(天皇)は刀(国家権力)とつながっていることによってその美的な価値をたもちえたのだ、というのが三島の主張である。

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