戦後史の解放I 歴史認識とは何か: 日露戦争からアジア太平洋戦争まで (新潮選書 戦後史の解放 1)
かつての戦争について、いまだに「侵略」とか「謝罪」などの道徳を語る傾向が強いが、あれはホロコーストのような大規模な戦争犯罪だったわけではない。本書もいうように、第2次大戦の日本は第1次大戦のドイツに似ており、明確な目標も戦略もなく、ズルズルと戦争に突入して失敗したという程度の話だろう。

だから大事なのは、戦争に道徳をもちこんで「平和主義」を叫ぶことではなく、同じ過ちを繰り返さないことだ。そのためには、失敗の原因を客観的に整理する必要がある。本書は最近の歴史学の成果のおさらいで、新しい話はないが、ヒステリックに日本の「戦争犯罪」を語るのではなく、失敗の原因をたどっている。

著者のみる「失敗の本質」は、日本政府も軍部も意思決定が内向きで、世界が日本をどう見ているかを理解していなかったことだ。「欧米の植民地主義に対抗する善意があればアジアは団結できる」という感覚で戦線をなし崩しに拡大し、国際的な政治力学に無関心で同盟関係でも失敗を繰り返した。

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