「聖断」の終戦史 (NHK出版新書 465)
新国立競技場について、安倍首相が設計変更の「聖断」を下せるかどうかは、彼の政治的決断力の試金石となろう。かつての終戦のとき、昭和天皇がどのように「聖断」を下したかを詳細に跡づけた本書は、その参考になるのではないか。

一般には陸軍や参謀本部などの「本土決戦派」と海軍や宮中グループの「終戦工作派」が対立し、1945年8月14日の御前会議で賛否同数になったため、天皇がポツダム宣言を受諾する「聖断」を下した、とされている。これ自体は事実だが、終戦は1回の会議で決まるほど簡単な意思決定ではない。

本書はこの最終決定に至るまでに、何度も公にならない「聖断」があり、それを受けて陸軍の終戦工作派も協力して水面下の説得が行なわれた過程をたどっている。戦争は、撤退戦がもっともむずかしい。進むを知って退くを知らぬことを誇りとした陸軍が敗戦を認めるまでには、多くの人々の長期にわたる努力があったのだ。

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