Vlogでもいったことだが、新国立競技場をめぐる迷走は、『大東亜戦争 敗北の本質』でも書かれた日本人の意思決定の法則を典型的に示している。
  1. プロジェクト全体の責任者がいない:競技場を建設する主体はJSC(日本スポーツ振興センター)という独立行政法人だが、これは文部科学省の天下り先なので、実質的な決定権は文科省にある。しかし彼らは建築には素人なので、プロジェクト全体の責任者がいないのだ。これは戦争計画のないまま日米戦争に突っ込んだ日本軍と同じだ。

  2. 予算を含めた全体計画がない:設計のコンペは2012年7月に募集を開始して9月中に締め切り、11月に最終決定という短期間で行なわれた。このため構造的に建設可能かどうかについての技術的な審査は行なわれたが、1300億円の予算内でできるかどうかの査定は行なわれなかった。これは補給を考えないで、石油の9割を輸入しているアメリカと戦争したようなものだ。

  3. 結論が最初から決まっている:JSCが設置した「国立競技場将来構想有識者会議」のメンバーは佐藤文部次官、猪瀬東京都知事、竹田JOC会長ら14人だが、建築の専門家は安藤忠雄氏だけ。これでは問題のハディド案を強く推した安藤氏のいう通りになるに決まっている。これも「最初に日米開戦ありき」で開いた御前会議のようなものだ。
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