大地のノモス―ヨーロッパ公法という国際法における
きょう注目のギリシャの国民投票が行なわれるが、どういう結果が出ても、今後はギリシャ政府も企業もユーロで起債できないので、実質的にEUから追放されるだろう。

圏(Raum)は、カール・シュミットの重視した概念である。かつて神聖ローマ帝国で保たれていた秩序が中世末期に混乱し、宗教戦争(内戦)が頻発したのに対して、ウェストファリア条約でキリスト教共同体としてのヨーロッパ公法によるラウムがつくられ、その構成要素として国家ができた。

ここでは国家は法人として主権をもち、戦争が合法化された。それまでの内戦が復讐のような犯罪だったのに対して、国家間の戦争では何万人殺しても罪には問われない。しかし国家主権は「至高の権利」なので、ラウム全体の支配者は定義によって存在しない。EUを支えているのも、キリスト教という価値観の共有だ。

この意味で、ギリシャはもともと東方教会という異質の要因を含んでおり、宗教的にはむしろロシアに近い。彼らが西欧圏から離脱すれば、ロシア圏に入ることは自然だろう。国際法も実質的にはヨーロッパ公法なので、西欧圏と他のラウムの戦争は、ルールのない「世界内戦」になるおそれが強い。

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