第三巻 1963―1996 (丸山眞男集 別集)
ヨーロッパ人は100年以上かかってニーチェの呪いを解き、今ごろ<真理>や<正義>をいかに構築するかという哲学を論じているが、日本人はこの点では1周遅れのトップランナーだ。本書で初公開された丸山の論文「日本における倫理意識の執拗低音」は、日本人が「こころ」の美意識で社会秩序を維持してきたと論じている。

この論文は彼がプリンストン大学に滞在していた1975年に英語で書いたもので、「歴史意識の『古層』」および「政事の構造」と並ぶ「古層」3部作だが、「試論の域を出ない」ということで公刊されなかった。たしかに他の2本に比べると完成度は劣るが、注目すべき論点がある。それは古事記の時代から江戸時代に至るまで、日本人には規範意識がなかったという大胆な主張である。

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